平成18年度 事業報告

1.全体評価

今年度は、法人組織の整理と再構築に着手した年であった。 障害者部門での障害者自立支援法の施行という大きな制度改革は、職員意識の差を露呈させ、利用者への支援や管理体制についての様々な課題が浮き彫りとなった。 高齢者部門では、介護老人保健施設の安定運営を目指し、ソフト面の充実を見据えた2年目を迎えた。

事業運営に係る設備、人員等の整備は、利用者のより良い人生に繋げるためのものであり、また権利を守るための重要事項である。 しかしながら、そのためには法人経営の安定が不可欠であり、利用者支援の向上を目指すほどその矛盾は歴然となった。

今後、確実な法人運営を継続するためには、財務の裏付けによる事業管理とそれに付随する人事・労務管理体制を構築することが必須であり、中長期計画に基づく単年度計画を作成することが重要課題である。

2.事業計画評価

1.障害者自立支援法への対応

障害者自立支援法施行への対応と体制整備を実施した。完全移行に向けて、体制整備及び人員配置の整理と準備を進めた。 各事業所の管理職及び事務局のプロジェクトにおいて検討し、機能分化した各施設の利用者特性に応じた事業体系を決定した。

(ア)利用者本位のサービス提供
  • 整備は完成されつつあるが、さらなる向上を目指した個々の分析を行うことが必要である。(各事業所事業報告参照)
  • 平成19年4月からの障害者自立支援法施行への対応と体制整備を実施した。
(イ)スムーズな運営
  • 平成18年4月施行の新サービス体系に係る資料整理と行政説明を基にした、利用者にかかる負担内容と料金の決定及び給付費請求事務等の業務を整備し、円滑な運営のための体制構築を行った。
  • 6月に新事業体系移行プロジェクトを発足し、各施設管理職共通の知識習得に努め、各施設の利用者特性に合わせた移行計画を策定した。
  • 10月に新体系全面移行の事業所(居宅系・訪問系)において、4月~9月までのみなし期間内で移行計画に沿ってソフト面を整備した。(あっぷ、すいんぐ及びはみんぐ事業報告参照)
  • 平成19年4月新体系移行に円、和、翼は、生活介護事業と施設入所支援事業を決定した。
  • 平成19年4月新体系移行に多機能型施設の凛は生活介護事業と自立訓練(生活訓練)事業及び施設入所支援事業、魁は生活介護事業と就労支援事業(就労移行支援、就労継続(B型)支援)及び施設入所支援事業を決定した。また、凛・魁ともに日中活動での増員策も決定した。
(ウ)利用者及び保護者への周知の徹底
  • 平成18年4月の保護者会総会にて、障害者自立支援法の仕組み、負担内容の変更及び利用料金改訂の説明会を実施した。
  • 平成19年4月からの新事業体系の移行については、平成19年3月の保護者会総会にて、各事業所における懇談会での個別説明や別日程での説明会を実施した。

2.地域福祉の促進

地域社会に根ざした障害者支援を目指す新たな事業所開設計画は、就労支援の強化と併せて相談機能の充実を図り、より総合的なサポート体制を展開させるための地域ネットワークの一役を担うことを目的として進めた。

(ア)地域就労支援部門の見直し及び強化
  • 平成19年4月、魁による就労支援事業(就労移行支援事業、就労継続支援(B型)事業)への移行決定に伴い、既存作業の整理と新作業の整備を行うと共に、大久保での新たな事業所開設準備と障害者就業・生活支援センターはぴねすの同事業所への移転に向けた整備を実施した。(魁及びはぴねすの事業報告参照)
  • ゆめこうば支援事業において継続して就労支援を行った。(魁事業報告参照)
(イ)共同生活援助の見直し及び再編と強化
  • 4月に寺田ホームを開設した。
  • 10月に相楽庵を城陽市内へ移転し鷺坂ホームと改名した。
  • 居宅系事業の移行に伴い、10月に共同生活援助(グループホーム)及び共同生活介護事業(ケアホーム)を実施し、障害程度区分の規制を受けない利用者の受け入れを可能とした。(地域福祉支援センターのグループホーム・ケアホーム事業報告参照)
(ウ)地域生活支援部門の見直し及び強化
  • 平成19年度4月開設の大久保事業所への総合相談支援事業うぃる(ゼネラルマネージャー)の移転準備を進めた。(はーもにぃ・うぃる事業報告参照)
  • 3障害を対象とする幅広い相談支援を実施する中で、南山城圏域内の定例会議への参加や研修会の主催など、他事業所との連携及び地域への働きかけを行った。
  • 障害者自立支援法において、相談支援事業が地域生活支援事業として市町村からの委託となったことにより、連携と協力体制の構築をさらに強化した。

3.ソフト面の充実

安全管理・衛生管理を徹底し、利用者が安心してサービスを受給できるよう、危機管理の強 化に努めた。

※ 平成18年度事故報告件数(障害者入所5施設、通所3施設)
分類小分類17年度18年度増減
医療関係急病108-2
誤飲・誤嚥92-7
誤与薬1922+3
事故転倒2721-6
その他07+7
外出関係無断外出209-11
集団離脱21-1
利用者関係利用者間のトラブル22
器物破損22
車両事故178-9
その他22
合計11084-26
※ 平成18年度煌におけるヒヤリハット報告実績
分類件数要治療件数
医療関係132
介護関係15917
その他40
合計17619
(ア)リスクマネジメントの強化
  • ノロウィルス及びインフルエンザなどの流行性ウィルス感染の予防策と発症後の対策を周知徹底し、適切に対処した。
  • 本園敷地におけるハード面の見直しにより、周囲柵の強化とデジタルロックの設置を行った。
  • リスクマネジメントの外部研修へ職員を派遣し、そのノウハウと施設の特性に応じた対策を講じながら今後対応を検討した。
  • 12月に消防署と警察署から講師を招き、利用者及び職員対象の防災・防犯講習を開催した。
  • 2月に老朽化した診療所と活動訓練棟の改築工事を完了した。(各事業所事業報告参照)
  • 事故発生時の迅速な対応を図るため、再発予防策として、安全・危機管理マニュアルを整備した。
  • 煌にてひやりはっと報告書の作成と提出を習慣化することで、評価と情報の共有化によるリスクアセスメントが可能なった。 今後は、各事業所においてもひやりはっと報告書の作成と提出を習慣化する。
  • 昨年度多かった無断外出の対応を強化し11件減少した。
(イ)各事業所における支援内容の充実(各事業所事業報告参照)
  • 利用者支援の基本的なマニュアル化は整備途中である。次年度以降引き続き整備する。
(ウ)各事業所間の有機的連携の強化
  • 相談支援部門との連携による個別ケースにおいての相互関係を構築し、具体的な支援内容に応じた勉強会や講習会を行った。
(エ)職員資質の向上
  • パート職員・準職員研修の実施(全4回)
  • 採用2年目以上のパート職員・準職員フォローアップ研修の実施(次年度実施)
  • 新規採用職員事前研修の実施(全3回)
  • 新規採用職員研修の実施(全9回)
  • 採用2年目フォローアップ研修の実施(全4回)
  • 採用3年~5年目フォローアップ研修の実施(全2回)
  • 管理職研修の実施(新事業体系移行プロジェクト会議を随時開催)
  • 各事業所単位での研修会・講習会の実施(各事業所事業報告参照)
  • 実践研究発表会の実施(3/17計5題。和、はぴねす、凛、円、煌より)
  • 法人内施設間研修の実施を検討(次年度再検討)
  • 外部研修への参加(各事業所事業報告参照)

4.法人経営の安定化

各事業所において、事業目的の妥当性、有効性及び効率性の評価と検討に努め、法人事務局において、経営的側面から法人全体の健全な運営に資することに努めた。

(ア)効率的なサービス提供体制
  • 2の1において前述した障害者自立支援法への対応及び体制整備を実施した。
(イ)情報収集・提案
  • 事業運営において必要な情報を収集し、各事業所に発信した。2の1において前述したプロジェクトにおいても積極的に実施した。
  • 11月~平成19年3月にかけて、全社協が提唱する「社会福祉施設に対する経営改善プログラム」を京都府下でモデルケースとして取組んだ。 今回は翼をモデルケースとしたが、今後は法人の各事業所においても推進し、経営の安定化に活用する。
(ウ)予算管理
  • 各施設からの月次報告をもとに、施設長会議にて毎月進捗状況を把握し、予算計上の基盤とした。
(エ)各種事業における収入・支出構造の見直し
  • 各種事業における制度改訂の動向を踏まえ、収入・支出予測を算定した。

5.学園組織の再構築

近年の法人事業拡大に伴い、平成18年度の職員数は300名を超えた。職員数の増加はその管理体制の困難さと比例する。 福祉職に従事しようという職員が、やりがいを持って働ける職場環境を構築し、非正規職員の職場定着率を高めることが必須である。

(ア)各職員
  • 各事業所において、正規職員と契約職員の立場と役割を明確化した業務分掌は構築されつつあるが、今後は規範となる事業所をモデルとして推進する。
(イ)各会議
  • 幹部会議から施設会議への協議事項及び決定事項の承認経路は明確化できた。今後は徹底することを継続する。
  • 事業所会議議事録を一部事業所は回覧したが、全事業所に義務付けるかは検討事項である。
(ウ)各委員会
  • 各委員会での協議事項及び決定事項の承認機関及び承認経路を明確化することの具体案は策定できていない。次年度策定する。
  • 委員会議事録を回覧した。
(エ)研修・研究部門
  • 法人全体としての情報共有化及び知識習得を図るために、各事業所研修委員の位置付けを再構成した。 法人全体としての研修委員会を一旦休止し、各事業所での研修活動を活性化した。(各事業所事業報告参照)
  • 研修目標設定、計画、実践等に係る協議及び決定事項を明確化し、目標達成と今後の応用発展に繋がる各職員の意識向上を図った。

6.情報機能の充実

事業拡大に伴う事業所の増設と地域への事業所拡散に伴い、各事業所へ即時に発信が可能となる情報ネットワークを構築し、情報及び意見交換ができる体制を整備した。

(ア)情報ネットワークの構築
  • サイボウズを完全導入し、各事業所内及び事業所間の連絡ツールして効果をあげ、事務連絡についてもペーパレス化に大きく貢献した。
  • サイボウズを含めたその他の情報ネットワークのメリット・デメリットを把握し、臨機応変に使用する意識が高まった
(イ)タテヨコ情報の共有化
  • 各施設における既存システム及び業務に関する指示伝達経路を見直し、ボトムアップ、トップダウン両方の観点から効率的に情報を共有し、円滑な意思疎通を図った。
(ウ)広報事業の見直し及び強化
  1. 法人ホームページのコンテンツの見直し及び定期更新 (4・7・10・1月実施)
  2. 年間報告、研究報告、近況報告等広報誌の発信
    • 年報 事業内容の年間報告 (9月発行)
    • 研究誌「希求」 実践及び研究報告䉁 (8月発行)
    • 広報誌「サムシングニュー」 事業内容及び近況報告 (9・1月発行)
    • 各施設だより 保護者対象の施設近況報告 (毎月発行)
    • 学園だより 職員対象の各施設近況報告 (6・10月発行)
      (職員への周知内容を精査しながらの発行とな り、今年度は発行回数減)

以上

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平成18年度 法人決算報告

単位:千円
社会福祉会計介護老人保健施設会計
科目一般会計授産施設会計診療所特別会計科目
貸借対照表
流動資産571,398107,16641,422 流動資産120,765
固定資産2,871,848285,27465,460 固定資産962,238
基本財産2,300,688247,8350 有形固定資産945,311
その他固定資産571,16037,43965,460 無形固定資産5,038
その他の資産11,889
資産合計3,443,246392,440106,882 資産合計1,083,003
流動負債245,18140,52410,586 流動負債56,638
固定負債658,90275,22870,000 固定負債1,140,249
純資産の部2,539,163276,68826,296 資本の部△ 113,884
うち次期繰越活動収支差額877,5771,92726,296 当期未処理損失△ 198,884
負債及び純資産合計3,443,246392,440106,882 負債及び資本の部合計1,083,003
事業活動収支計算書 損益計算書
授産事業収入23,950 施設運営事業収益484,949
事業活動収入1,292,512238,38466,805 施設運営外事業収益2,362
事業活動外収入70,8011,090
収入計(1)1,363,313263,42466,805 施設運営収益計(1)487,311
授産事業支出21,230 施設運営事業費用501,396
事業活動支出1,182,870229,50647,738 施設運営外事業費用17,925
事業活動外支出61,0261,05310,711
支出計(2)1,243,896251,78958,449 施設運営費用計(2)519,321
経常収支差額(3)=(1)+(2)119,41711,6358,356 経常利益(3)=(1)-(2)△ 32,010
特別収入(4)69,6925,2980 特別利益(4)2,535
特別支出(5)73,9946,300172 特別損失(5)2,486
当期活動収支差額(6)=(3)+(4)-(5)115,11510,6338,184 当期純損益 (6)=(3)+(4)-(5)△ 31,961
前期繰越活動収支差額(7)761,462△ 8,70618,112
繰越活動収支差額の部(8)000 前期繰越損失(7)△ 166,923
次期繰越活動収支差額(6)+(7)+(8)+(9)876,5771,92726,296 当期未処理損失(6)+(7)△ 198,884